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これ以上存在しない世界 |
川は単なる化学製品が隠れている流れでしかありません。
水質汚染 空が汚染のための腰掛に過ぎない世界 大気汚染 地球の温かさは、警告です。 地球温暖化 大気のオゾン層に穴をあけます オゾンホール 水質汚染 地下水の汚染では、有機塩素系溶剤に使われた後の工業排水に含まれたトリクロロエチ レンやテトラクロロエチレン等の有機塩素化合物による地下水汚染が最近になって深刻に なっています。農場等で使われる農薬により発生する硝酸性窒素が地下水の水質汚染の原 因の一つとなっています。また農場だけでなくゴルフ場などでは除草剤が使われており、 これも同じような形で原因の一つとなっています。また、地下水の過剰汲み上げによりヒ 素汚染が増加しています。 河川の汚染では、河川の水質汚染の原因としてまずあげられるのは、やはり私たちの生 活排水です。有機物や窒素、リンなどを含む生活排水はとにかく量がすさまじく、ゆっく り根の深い影響を残すのが特徴で、いつの間にかひどいことになっている場合が多く注意 が必要です。その中でも有名なのは使用済みの油や合成洗剤等の排水でしょう。 また、水の中の汚れ(有機物)と浄水場で消毒に使う塩素が反応して発生するトリハロ メタンや、発がん性が疑われている汚染物質としては環境ホルモンにも、最近になって注 目が集まっています。 海洋汚染では、汚染の原因は化学物質などです。これらが工場からの廃棄物の垂れ流し や合成洗剤の使用、農薬の散布などによって水に溶け込むなどして、最終的に海に流れ着 きます。また、工業地帯などは水が近くにあると便利なので川沿いや海岸沿いなどにある ことが多く、それらも関連してきています。もっとも、現在は化学物質の投棄に関する法 律や条例の規制が厳しく、工場などからの化学物質の投棄は基本的に減少しています。ち なみに、汚染物質のほとんどは陸で使われた物が海に流れ出た物です。その中でも汚染原 因の中で重要とされたものは、難分解性汚染物質(POPs)と呼ばれる物です。 大気汚染 大気汚染は、私達が社会活動を行うことに伴って引き起こされます。その主な原因とし ては、工場などが生産活動を行う際に大気汚染物質が排出される場合と物流や人流など自 動車の使用によって大気汚染物質が排出される場合があります。わが国では、1960年代か ら1980年代にかけて工場から大量の二酸化硫黄(SO2)等が排出され、工業地帯など工場 が集中する地域を中心として著しい大気汚染が発生しました。最近では、大都市を中心に 自動車特にディーゼル車から排出される二酸化窒素(NO2)及び浮遊粒子状物質(SPM)に よる大気汚染が問題となっており、その対策が急務となっています。これらの大気汚染物 質は、呼吸器に望ましくない影響を与えるものとされています。 大気汚染物質は、自然に発生(自然発生源)する場合と工場等の固定発生源、自動車等 の移動発生源など私達が社会活動を行うことによって発生する場合があります。発生する 形状もガス、エアロゾル(大気中に浮遊している固体・液体の微粒子状物質)、粒子と様々で す。大気汚染物質は、大気汚染防止法で定められています。大気汚染防止法では、工場や 事業場の施設ごとの排出規制、指定地域での総量規制、自動車排出ガスの許容限度の設定 などによって大気汚染の防止を図っています。対象物質として、ばい煙(硫黄酸化物、ば いじん、有害物質5種)、粉じん(一般粉じん、特定粉じん)、自動車排出ガス、特定物 質(28物質)、1996(平成8)年の法改正によって指定された有害大気汚染物質(234種類,う ち指定物質3物質)が該当します。 地球温暖化 地球温暖化の原因は、温室効果ガスです。温室効果ガスには二酸化炭素・水蒸気・メタ ン・フロン・一酸化窒素などがあります。しかし、温室効果ガスがあること自体は問題で はないのです。多すぎるのが問題なのです。1万年前から今までの間、地球の温度は4〜 7℃しか上昇していませんでした。温室効果ガスの量が安定していたためです。しかし、 産業革命以降 人類は発電したり、車を走らせたりするエネルギーを得るために大量の化石 燃料を燃やして来ました。その結果、適度なバランスで保たれていた二酸化炭素の量は急 激に増加し、それが現在の地球温暖化の原因となっているわけです。 前述の通り、温室効果ガスそのものが悪いわけではありません。現在は温室効果ガスが 過剰になっているので問題になっていますが、逆に温室効果ガスが少なすぎると今度は地 球が寒くなりすぎ、これはこれで生物が生きていけなくなります。(仮に二酸化炭素が地 球上からなくなったとすると、地表の温度はおよそ−18℃になってしまいます) 「火星を地球のように改造する」という計画のことを聞いたことがある人もいるかもしれ ません。そのように他の惑星を地球のように改造することを「テラフォーミング」と言い ますが、この計画において「惑星の温度を上げる」ために温室効果ガスを放出させようと いうアイデアもあります。 オゾンホール オゾン層破壊の元凶は塩素(Cl)である。ただ,塩素(Cl)は空気中の酸素と結合して ClOxになるが,さらにこれは空気中のメタンCH4,二酸化水素HO2,二酸化窒素NO2などと 反応して化学的に不活性なオゾンを破壊しない硝酸塩素(ClONO2)などに変わっていくも のがほとんどである。従って,何とか急速なオゾン層の破壊は食い止められているわけで ある。しかし,南極では毎年冬になると成層圏に強い西風が取り巻き極夜渦と呼ばれる。 その中は非常に低温で外部の空気と殆どやり取りが無い。そのため極域成層圏雲と呼ぶエ アロゾル(空気中のホコリ)の雲ができる。この雲の表面において、硝酸塩素(ClONO2)が 分解されてしまう。そうして,塩素(Cl)はどんどん解放されて逆に塩素を不活性な状態 にするはずのNOxは硝酸HNO3の形で雲内に閉じこめられてついには成層圏から除かれてし まう。そうして,冬の間にこのように解放された塩素は春になると太陽が当たり始め、そ の紫外線を受けて一気にオゾンの破壊をはじめるのだ。また,困ったことにClの悪事を食 い止めるはずのNOxは雲に閉じこめられて空気中には少なく,オゾン破壊はどんどん進行す ることになる。これが,南極特有のオゾンホールの原因と考えられている。北極では地形 の関係から 極夜渦が出来にくく南極とは条件が異なるため、オゾンホールは出来にくい と言われている。 次にオゾンが塩素とどのような反応を示すかというと、 塩素とオゾンが結び付くと一酸化塩素と酸素になる。(1) その一酸化塩素と酸素原子は,塩素と酸素になる。(2) また,オゾン自体は非常に不安定なので酸素原子と結合して酸素になろうとする。(3) ここで注目すべき悪いことには,塩素が(1)の反応でオゾンを破壊した後,(2)の 反応をすることにより,再び塩素に戻ることだ。これは とりもなおさず,1つの塩素原 子が何度もオゾンと反応を行うことを意味する。オゾン自体はもともと不安定な物質なの で,(3)のようにフロン(塩素)がなくても自然に破壊されるが、かろうじて 紫外線 によりオゾンが生成されバランスを保っていたものが、この塩素によって何度もオゾンと 反応してしまうとなると その,オゾン生成のメカニズムでは追い付かなくなり、オゾン層 破壊という結果を招いてしまう。 |